004_妊娠3カ月:母というよりチームリーダー
3時間待って子どもが1人増えて、そして断られた。その続きです。
双子だと告げられた時、頭頂から何かがサーッと落ちるのを感じました。血の気が引くとはこういうことでしょうか。母というよりチームリーダーになったという意識、同時に2人分の命を守ることになった緊張感と言ってもいいかもしれません。それが心にズドン!と入って震えたのを覚えています。
母と子が1対1だと思っていたころは、優しい幸福感の中、とてもリラックスした安心安定な状態でした。例えば、腕に抱いた一人の子を真っすぐ見つめているような、落ち着いたイメージです。それが右目と左目で違うものを同時に見なければいけない状態になったと感じました。バランス感が一瞬にして崩れ、リラックスした母子関係が吹っ飛び、私の中では緊張感のある「チーム」に変わったのでした。
肝心の分娩予約は、そこからさらに隣町の公立病院に紹介状を書いてもらえることになりました。実家からどんどん離れていくので里帰り出産なのか何なのか、もう分からなくなっています。こんなことなら自宅近くの最初に行った個人病院でいいんじゃないかという気もしてきます。
するとそばにいた看護師さんが耳元で一言
「双子は大きい病院で産んだほうがいいよ」
細かい説明は無かったけれど、素直に従うべきという感じがして、縁もゆかりもない土地の病院へ行くことにしました。