DEAR MY TWINS

双子の妊娠・出産・育児~子どもたちが成人するまでの回想録

014_予定帝王切開:押すんですね

手術当日、時間が来ると車椅子に乗せられ、看護師さんによって手術室へと運ばれて行きました。前の日、激しいうめき声を出しながら苦しんでいた同室者は徐々に落ち着き、私もいつの間にか眠って目覚めはスッキリとしていました。

私は裸眼では物体かどうかも判別できないほど、視力が非常に悪いです。手術日はコンタクト禁止で眼鏡をかけていましたが、エレベーターに乗ったら「眼鏡も預かりますね」と言われて裸眼になってしまいました。なので、ここからの記憶は音声とファンタジーな景色のみで、何が起きていたのか今もよく分からないままです。

何階に連れていかれたのかも不明なまま目的地に到着すると、「手術室の看護師○○です」と優しく話しかける看護師さんに出会います。私を緊張させないようにとしてくれていたのでしょうか。終始、好感度抜群でした。そして麻酔のためにベッドに横になると、いつも担当の先生にご対面。声で分かりますが、ぼやぼやのシルエットだけでは誰なのか見分けがつきません。視覚がぼやけていると感覚も鈍るのか、怖かった脊椎注射、ずい~んとした軽い痛みはありましたが何てことありませんでした。先生の注射も上手だったのでしょう。

しばらくすると、正座して足がしびれたのと同じあの辛い状態が胸の下まで発生しました。麻酔が効いているかどうかを確認するため、氷?冷たい何かを腕に当てられ「冷たっ!」と思ったら、ここも感じますか?とお腹のあたりを触られているっぽい。けど、冷たくない。けど、正座のビリビリが治まらないんですけど!部分麻酔ってこのビリビリがポイントなんですか?痛みは感じないけど、ずっとしびれが切れてて、痛い以上にめちゃくちゃ気持ち悪いんですね。

そして補助に入る別の医師から自己紹介を受け、執刀する産科の担当医、手術室の看護師、産科の看護師が周りで何かをしているのを声と空気の動きから感じ、いよいよ始まる手術への恐怖心、子どもの顔を早く見たいという高揚感も高まります。でも結局全部ビリビリの気持ち悪さに持っていかれるんですけどね。

帝王切開はお腹を切るのは分かるけど、そこから子どもをどうやって外に出すのか不思議でした。補助の先生が手術台に上がって、私の腹の上をまたいで立っているようなシルエットが見えると、「1人目行きます」って私のお腹を思いきり押したようでした。すぐに「2人目行きます」と再び私のお腹を勢いよく押しているように感じました。押すんですね。予想外でした。外界に出る気が無い子を引っ張り出したせいか、勢いよくオギャーなんて声では泣いてくれませんでした。そんなもんなんでしょうか?

眼鏡を付けてもらって一瞬だけ子ども達とご対面。自力でこの子達を産み落とした実感が全くないので、この状況に現実味が無く不思議な感じ。子ども達とはすぐに離されて私は手術の続き、縫合やら何やら、出産にかかる時間よりもそっちの方が長かったと思います。

この後ですよ。地獄のうめき声。私も同じでした。