DEAR MY TWINS

双子の妊娠・出産・育児~子どもたちが成人するまでの回想録

015_手術後:悶絶とはこういう時に使う言葉

2時間ほど後に私と娘2人は産科病棟に戻ってきました。子ども達はショーケースのような透明の箱に入って移動していました。

私は子ども達を取り出した後ぐらいから、意識がはっきりしておらず記憶が曖昧です。病棟の入り口で夫と母が話しかけてきたのは覚えていますが、返事しようにも上手く呂律が回らなかったように思います。突然、ものすごい勢いで歯がカチカチ鳴り始めて驚きました。寒いときになるアレですが、麻酔から覚醒し始めると起きる現象のようです。しかしまだその時は無感覚。寒いも暑いも全然感じませんでしたし、自分の意思で体を動かすことなど全くできない状態でした。

病室に帰り安静にしていると、突然今度は体が燃えるように熱くなってきました。ナースコールをすると電気毛布を外されました。電気毛布が敷いてあるとは全く気付かなかったので、暑さを感じる感覚が戻ってきたのでしょうが、まだ下腹部から足先は自分の意思で動かせません。看護師さんが色々とお世話をしに来てくれますが、何かの拍子に足先が変な方に向けられてしまい、足首の違和感が気持ち悪くて向きを変えたくてもビクとも動かせないのが辛かったです。すぐ別の方が気づいて直してくれて助かりましたが。喉もカラカラでしたが「水を飲むのはまだダメです」と飲ませてもらえず、のどの渇きでこんなに辛い思いをしたのも初めてでした。

その頃、家族は新生児室の子ども達を見ているようでした。後で一人ずつ、看護師さんが私の枕元に連れてきてくれて、その時初めてしっかりと顔を見ることができました。

麻酔がいよいよ切れ始めたのか、内臓を握りつぶされるような痛みが襲ってきました。切った傷の痛さなのか、子宮が収縮するときの痛さなのか、両方なのか、とにかく痛い苦しい我慢ができない。昨日の同室者は大げさでも何でもなく、私も彼女と同じく、地獄の底から聞こえてくるようなうめき声を上げ始めました。

とにかく痛くて我慢できない。息切れして普通に話すことも困難な中、必死に鎮痛剤をくれと頼みましたが・・・

「抗生剤の点滴が終わらないとダメなので、あと4時間待ってください。」

それホンマかいな?悶絶とはこういう時に使う言葉だと身をもって知りました。